大規模生成AI研究開発支援プログラム
ABCIでは、莫大な演算能力によりはじめて可能になる人工知能分野の最重要課題や人工知能やビッグデータ、量子計算を活用した社会的重要課題への挑戦を支援するため、「ABCIグランドチャレンジ」プログラムを実施してきました。
2023年度には大規模言語モデルへの需要の高まりを背景に「大規模言語モデル構築支援」プログラムを行いました。
2024年度は、対象領域を言語モデルから拡大し、大規模言語モデルや拡散モデルを含む 「大規模生成AIモデル」 の構築全般を対象に支援プログラムを開催します。
ABCIではジョブの待ち時間が過度に長くなることを避けるために、ジョブの並列数や実行時間を制限しています。しかしこの制限のため、
大規模生成AIモデルのように莫大な計算量を要するジョブの実行が困難となっています。
本プログラムは、大規模生成AIモデルの構築を目指す利用者に対して、より大規模な計算ノードの予約利用を可能とするものです。
なお、本プログラムを利用した場合に必要となるABCIポイントは、利用者様にご負担いただきます。
グランドチャレンジとは異なり、無償ポイントが付与されることはありません。
公募要領
対象
- 長期間もしくは多数のノードを専有することが必要な、大規模生成AIモデルの構築に関する研究開発テーマを募集します。通常の実行環境で十分実行できるようなテーマは対象外となります。
- 課題は公募制とし、国内法人に所属する個人、グループでの提案が可能です。
- 採択数は数件程度を予定しています。
提供資源
- 計算ノード(A)を提供します。ノード(A)は120ノード存在します。
- 最大期間は、140日間とします。これは4月中旬から10月31日のABCIの停止までのおよそ195日から、メンテナンス及びその前後の緩衝期間55日を除いたものです。
- 希望利用資源量を、ノード数 x 日数 で示していただきます。採択時、割り当てるノード数、日数を調整させて頂く場合があります。
注意事項
- ABCIポイントは、利用者様にご負担いただきます(計算ノード(A)の予約利用時の課金係数が適用されます)。無償ポイントが付与されることはありません。
- ABCIの利用にあたっては、「共用高性能計算機ABCI利用約款」において定められた事項を遵守していただきます。ABCIアカウントを保有してない場合は、採択後「ABCI利用申請」を行って頂きます。
- 予約期間内にメンテナンスのための停止期間が含まれる場合があります。この場合には、停止期間(およびその前後の緩衝期間)の日数分を拡張した期日まで予約期間を延長します。
費用
- 採択された場合、ノード(A)の予約に必要なABCIポイントを取得して頂きます。必要なポイント数は「割り当てられるノード数 x 時間数 x ノードA課金係数(6) x 1.5」となります。
- なお、公的機関による研究テーマの場合は、課金するポイント数を33%ディスカウントします(必要なポイント数は「割り当てられるノード数 x 時間数 x ノードA課金係数(6)」)。ここで公的機関とは、国立研究開発法人、大学共同利用機関法人、国公私立大学、公設試験研究機関、高等専門学校などを指します。不明確な場合はお問い合わせください。
- 予約時に上記のポイント数が差し引かれます。また、利用者の都合で、ノードを実際に使用しなかった場合には、ポイントは返却されません。
- ノード障害への対応等、合理的理由により提供予定の資源の一部が利用できない場合があります。予備のノードを考慮して希望ノード数を決定してください。ノード障害等により使用できなかった場合には、使用できなかったノード時間積に相当するポイント数を返却いたします。
課題審査
課題審査は、有識者によって構成される大規模生成AI研究開発支援プログラム審査委員会において、書類審査およびその結果を踏まえた討議により行います。
主な審査項目は以下の通りです:
- 学術的あるいは社会的なインパクト
- 研究内容の公共性
- 計画の実現性、妥当性
- 実施体制、実施計画
申し込み期限
- 第1次締め切り 2024年4月1日23時59分
- 提供可能資源に余裕があるかぎり、継続的に随時申し込みを受付けます。
応募方法
※ 受付は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。
こちらのフォーム(https://forms.office.com/r/ELgxU0xqJe)から応募申請してください。
入力事項は、下記の応募様式をご参考ください。
お問合せ先
ABCI お問い合わせ窓口: application@abci.ai
採択課題
機関名 |
課題名 |
ノード数 |
日数 |
国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
継続事前学習に基づく汎用性および有用性の高い日本語大規模言語モデルの構築 |
36 |
140 |
国立研究開発法人情報通信研究機構 |
世界最大級の高品質日本語データ構築法の探索およびそのデータに適した事前学習ハイパーパラメータの探索 |
32 |
100 |
国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
日本語音声と話し言葉に強い音声音響基盤モデルの構築 |
20 |
70 |
株式会社ELYZA |
実践的応用を視野に入れた日本語大規模言語モデルの開発: 知識と系列長の拡張 |
40 |
70 |
国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
データの倫理問題を根本解決するテキストからの画像生成モデル構築 |
40 |
21 |
理化学研究所 |
AI for Science実現に向けた科学基盤モデルの構築 |
2 |
140 |
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